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土田麦僊(1887~1936)
国画創作協会が解散して官設展に発表の場を移した昭和3年頃から、麦僊の作風は明晰な描線と美しい色彩が調和した装飾性の色濃いものへと大きく変転しはじめる。本作は、こうした彼の転換期を代表する一作で、昭和4年の第10回帝国美術院展覧会に出品された。かねてより強い愛着を寄せていたケシの花を画題としている。ここで試みられた実物写生を出発点とする近代的創作態度と中国や日本の古画に学んだ伝統的装飾描法の融和こそが、以後の麦僊の最大の課題となっていくのである。対幅 昭和4年(1929) 絹本着色 各161.0×106.2 |